2016年8月31日水曜日

リッツェムにて

リッツェムはパジェランタレーデンの北のスタート地点で規模は小さいものの大勢のハイカーが頼りにしている重要な宿泊施設です。
 宿泊はホステルとテント泊の2つ。ホステルは基本二人部屋で混雑時にはソファーをベッド代わりに使用して3人部屋となるようです。ホステルなのでシャワー、トイレは共同です。サウナもありますよ。もちろん、wi-fi完備。
食事の提供は朝食のビュッフェのみですが、共同キッチンには冷蔵庫、ガス台、電子レンジがあって売店で購入した食品を調理することが可能です。また、キッチン内にはFOOD BOXがあり余った食料を入れて誰かに譲ることもできます。ハイキングを続ける私たちはスープを4杯分いただきました。
売店はハイキング用の食料と消耗品の販売がメインです。この場で食べる冷凍食品とビールや暖かいコーヒーとクッキーもあります。

リッツェムでも2泊しました。到着した日はシャワーを浴びて洗濯して食事をしてビールを飲んで終了。ゲストが多いのでもう一人相部屋になるかもと言われていましたが乾燥室にベッドを入れて対処したらしく誰も来ませんでした。


滞在二日目。朝食はビュッフェ。と言っても、パンとシリアルとヨーグルトとオートミールとハムとチーズと少々の野菜。アビスコのゴージャスな感じを期待していると裏切られます。それでも食事を提供してもらえるというのはとても幸せなことです。ありがたや。

さてゼロデイ。やることと言ったらネットで進行状況の報告とニュースを確認することぐらいです。とはいえ、夏休み中の友達のハイキング報告やニュースなどを13日分読むのはボリュームもあり楽しい時間でした。
そこで1つ目に止まったと言いますか、興味深い記事を目にすることになります。
それが↓こちら
  
土屋智哉のウルトラライト・ハイキング2.0 「中央ハイトレイル」を行く#2

「彼でもこの記事のようにハイキングに悩むというか葛藤が生まれるような状況になることがあるのかぁ。」と、思ったのです。
というのも、私も「このハイキングは楽しいのか?」という疑問を持っていて、そのことに対して「そういうことを思ってはいけないのではないか」と思っていました。毎日のように楽しいかどうか考えながら歩いていました。
それが、「土屋さんでもこうなのだから自分がそう思うことがあってもいいんだ。」と思えることができて気分が楽になったのです。
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誤解のないように書いておきますが、北極圏を歩いた日々は確実に「楽しい」でした。
歩いている時点では「楽しい」 のかどうかモヤモヤしていたのですが自分が感じていたことを的確に表現している人を後日TRAILSの記事で発見しました。
↓こちらの深町さんの記事

Pacific Crest Trail #02/女性ハイカーが見たPCT

そう、この記事に書いてあるようにハイキング中に感じていたことは「Fun」ではなく「Interesting」でした。深町さんと全く同じことを感じて歩いていたわけではないのですが、間違いなく「この先はどうなっているだろうか?」「どんなことが起こるのだろうか?」という興味を持って進んでいました。そうやって最後まで歩いた結果、「このハイキングは楽しかった。」と感じられたのだと思います。
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そして、この時考えたことがもう1つ。
もとより北極圏トレイルの途中からハイキングは始まっているのですが、途中からグレンスレーデンに入ったことによって「北極圏トレイルのスルーハイク」ではなくなってしまいました。その判断は間違っていなかったし予定を変えたことも面白いことの1つで良い選択だと思っています。ただ、「北極圏トレイルもクングスレーデンもグレンスレーデンもどこも通しで歩いていないじゃないか」と。どこか中途半端に感じたのです。始点から終点まで全部歩いて「私はここを全部歩きました。」と言いたい。スパッと切れ味よく行きたい!
そこで、北極圏トレイルを歩き続けることはやめて、この先のパジェランタレーデンをスルーハイクしようと決めました。
 リッツムから湖を渡るボートの行き先は2ヶ所。Akkatsuganとvaisaluoktaで前者はパジェランタレーデンで後者は北極圏トレイルへと続きます。その先は2つのトレイルが交錯して重なったり離れたり。ゴールは同じでkvikkjokk(クビックヨック)です。最後が同じなら中途半端に北極圏トレイルを歩くのではなくてパジェランタレーデンの約140kmを最初から最後まで歩くのがキリよくて気持ちよいと感じたのです。
そして急いでこの先の情報を調べます。
・小屋は有人で食料は買い足しながら進めそうなこと。
・トレイルの最後は湿地で歩ける状態ではないので最後はボート乗る。1日1便。
・途中、サーミ人が運営する小屋では生のトラウトが購入できる。
などなど。わかる範囲で情報を集め明日の出発に備えました。

そして気持ちも軽くなりとりあえずビールで乾杯。&就寝。

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